システムエンジニアは3Kって本当なのだろうか。7Kとかデスマーチの噂も聞くし、SEになって失敗したら嫌だな。実際に働いている人からリアルな話を聞きたい。
SE歴10年の自分がお答えします。
システムエンジニアは、新3K(きつい、帰れない、給料が安い)と言われ、土木作業の旧3K(きつい、汚い、危険)の現代版として扱われることがあります。
システムエンジニアの7K
一時はさらにひどく、4K(規則が厳しい、休暇がとれない、化粧がのらない、結婚できない)が加わり、システムエンジニアは7Kと言われる始末でした。
ただ、現在は「過労死等防止対策推進法」や「働き方改革」が進んでおり、SEの労働環境は見直されつつあります。本記事では現場を見てきた元SE視点で、3Kと言われる理由や実態についてまとめてみました。
SE歴10年の視点からシステムエンジニアの3Kについてまとめてみました。少しでも参考になれば幸いです。
SEが3Kと言われる理由
SEが3Kと言われる理由は、SIer(システムインテグレータ)の業界体質の影響が大きいです。これは土木作業の旧3Kも同様、業界の末端で働く人たちの労働条件が良くないことを意味しています。
- SIer業界の末端 → 新3KのSE
- 建設業界の末端 → 旧3Kの土木
ピラミッド構造の業界体質
SIer業と建設業は、どちらもピラミッド構造の業界体質があります。大手企業(ゼネコン)が元請けとなり、そこから中小企業(サブコン)の下請けを経て、泥臭い作業は零細企業(土木企業)の孫請けに流れるの一般的です。
このピラミッド構造では、下請けになるほど利益率が下がり、納期が短くなりやすいのがデメリットです。そのため、どうしても3Kが気になる人は、なるべく頂点に近い企業に勤めることがポイントとなります。
SEの3K「きつい」の実態
システムエンジニアはきついのか。
SE特有のきついところ
- 予定外タスクで残業になりやすい
- システムトラブルで呼び出される
- 他業種と比べて夜勤や休出が多い
- 下請けになるほど給料が安くなる
- 一次請けは板挟みでストレス甚大
元SEの観点で挙げると、このあたりがシステムエンジニア特有のきついになります。先の業界構造と繋げるのであれば、1〜4が共通事項、5が下請けSEのきつい、6が元請けSEのきついです。
もっと詳しく知りたい人は【解説】システムエンジニアはきついって本当?【元SEが真実を伝える】を参考にしてみてください。詳細をまとめております。
SEの3K「帰れない」の実態
システムエンジニアは帰れないのか。
忙しさの偏りはあるものの、普通に帰れます。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、SEが働く情報通信作業の平均作業時間は「14.8時間/付き」となっており、1日あたり1時間未満です。
元SEの残業時間ふりかえり
年度 | 平均 | 最大 |
---|---|---|
2007〜2011年 (1〜5年目) | 30時間/月 | 80時間/月 |
2012〜2016年 (6〜10年目) | 10時間/月 | 30時間/月 |
過労死が騒がれた2013年頃から、プロジェクトや組織全体で残業を減らす動きが増え、劇的に働きやすくなりました。これは元請けSEだけでなく、下請けや孫請けを含めた動きです。
また、情報通信産業の残業時間は減少傾向にあります。詳しくしは【元SE談】システムエンジニアは残業が多いの?【ブラック経験あり】にまとめてみました。気になる人はどうぞ。
SEの3K「給料が安い」の実態
システムエンジニアは給料が安いのか。
最後の3Kもノーです。国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、SEが働く情報通信業の平均年収は「599万円」で、全業種の平均年収「436万円」より150万円以上も高く、SEの給与水準が高いことがわかります。
ただ、先の業界構造が関係するため…
SEの年収目安
- 大手企業(元請け)→ 800〜1,000万
- 中小企業(下請け)→ 500〜700万
- 零細企業(孫請け)→ 300〜400万
大手企業では「野村総合研究所(NRI)」の1,225万円を筆頭に、「電通国際情報サービス(ISID)」の1,047万円、「オービック」の933万円と続きます。下請けになるほど年収は下がるものの、他業種に比べると高いです。
大手SIerが気になる人は【まとめ】システムエンジニアの大手企業とは【売上・年収別】を参考にしてみてください。大手企業は福利厚生も充実しており、かなり優遇された会社員と言えます。
元SEから3Kが心配な人へ
最後に元SEからメッセージです。
- SIer業界で働く → 元請け
- SIer業界を外れる → 社内SE
- 会社員すら外れる → フリーランス
システムエンジニアの3Kが気になる人は、この3つを押さえておきましょう。いきなり目指すのは難しいかもしれませんが、転職でステップアップするなど、将来的なキャリアの参考になれば幸いです。
SIer業界で働くなら元請け
ピラミッドの頂点を目指す。
SIer業界でSEとして働き続けるなら、元請け企業に入るのがおすすめです。実際に元請けで働いた経験上、かなり優遇された会社員だったと実感しています。
個人的な観点で恐縮ですが、会社員で働く上で重要なのは、給料や福利厚生です。待遇が良ければ、3Kの給料が安いからも除外されます。なるべく早く転職しましょう。
SIer業界を外れるなら社内SE
ピラミッドから外れる。
SIer業界のピラミッドから外れ、社内SEになる方法もあります。社内SEはピラミッドの先にいる、発注側のポジションです。つまり、SIerに仕事をお願いする立場になります。
社内SEの最大のメリットは、顧客相手の仕事ではなく、社内相手の仕事になるため、ストレスが減ることです。やや給料は下がりますが、専用の転職サイト「社内SE転職ナビ」があるほど、人気職種の一つとなっています。
会社員を外れるフリーランス
エジプトからも外れる。
フリーランスとして独立すれば、3Kと無縁で働けます。仕事内容、仕事時間、仕事場所など、全てを自由に決めることができるのがメリットです。
プログラミングができると強い
個人で稼ぐには、プログラミングができると強いです。そのため、システムエンジニアよりプログラマーの方が独立に向いています。スキルのある人は、小さく稼いでみるのがおすすめです。
フリーランスの案件探しはこのあたり。
- Midworks:フリーランスエンジニア向けの大手エージェント(正社員並みの保障がテーマ、良心的なサポートが多い)
- Engineer-Route:IT特化のフリーランス向けの案件紹介サイト(トータルサポートあり・営業が苦手な人でも安心)
以上、
システムエンジニアの3Kについてでした。
一時は「新3K(きつい、帰れない、給料が安い)」と揶揄されたものの、全て過去の遺産になりつつあります。SEに興味のある人は、安心して目指しましょう。
最後に自分の話を一つすると、自身が元請けSIerを辞めたのは、会社員すら外れる道を選んだから。このルートを考えている人は、早めに「個人で稼げるスキル」を身に付けておくことおすすめします。
スキルを身に付ける人へ
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