【明暗あり】システムエンジニアに将来性はある?【元SEの体験談】

SEの将来性を知りたい人

システムエンジニアに将来性はあるのかな。よくSEに将来性はないとか、もうSEはオワコンとか聞くけど、本当なのだろうか。実際にシステムエンジニアで働いている人の声が聞きたい。

こんな人向けに書いてみました。

結論から申し上げると、システムエンジニアに将来性はあります。ただ、SEの仕事内容は多岐に渡り、そこが明暗を分けるといっても過言ではありません。

また、キャリアが曖昧だったり、自分から進んで勉強しないと、その会社でしか生きれないSEになってしまい、将来性が大きく損なわれる可能性があります。

過去の自分に向けたメッセージ

本記事は過去の自分に向けたメッセージです。キャリアが曖昧なまま、仕事以外の勉強もせず、のらりくらり流されるようにシステムエンジニアを10年続けた結果、おどろくほど市場価値の高くない人材になってしまいました。

この体験からお伝えしたいのは…

システムエンジニアに将来性はあります。
ただ、キャリアを考えておきましょう。

やすす

SE歴10年の視点からシステムエンジニアの将来性やキャリアについてまとめてみました。少しでも参考になれば幸いです。

目次

システムエンジニアに将来性はあるの?

システムエンジニアに将来性はあります。

その理由は、情報サービス産業における雇用人員が、2012年3月からマイナスとなっており、全産業よりも不足傾向が強いからです。これは独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が取りまとめているIT人材白書からわかります。

つまり、システムエンジニアをはじめ、IT人材はまだまだ不足しているのです。また、今後もIT社会が拡大していくことを考えれば、SEの需要が高まることも想像に難くないでしょう。

ただ、1つだけ注意点があります。

IT人材の職種に偏りあり

IT人材の職種には偏りがあります。

IT人材白書によると…
(2019年度の調査結果)

  • アプリ系技術者     → 約40%
  • プロジェクトマネージャ → 約20%
  • 運用系サービス技術者  → 約10%
  • インフラ系技術者    → 約10%
  • 先端技術者(AIなど) → 約1%

ここからわかるのは、システムエンジニアでも職種によっては、将来性がないケースもあるということ。特に「アプリ系技術者」や「プロジェクトマネージャ」は、不足から余剰に向かっており、この職種だけでキャリアを考えるのは危険です。

その一方でAI(人工知能)やビッグデータなど、先端技術に関わるIT人材は、全体の約1%しかおらず、圧倒的に不足していることがわかります。

IT人材白書からわかる不足職種

  • 先端技術に関わる技術者
  • コンテンツサービス系技術者
  • 情報セキュリティ専門技術者

SEに求められる技術レベルは、年々高くなってきています。中国、インド、ベトナムなど、海外の優秀なIT人材も増えており、システム開発(要件定義→設計→製造→試験)をそつなくこなせるだけでは、不十分と言わざるを得ません。

システムエンジニアの将来性まとめ

ここまでの内容をおさらいすると…

  • システムエンジニアの将来性はある
  • 情報サービス産業の雇用人員は不足
  • 職種によっては過剰になりつつある
  • SEに求められる技術レベルは高い
  • システム開発できるだけでは不十分

これはシステムエンジニアに限った話ではありませんが、その仕事をできる人が多いほど、その市場価値は低くなっていき、逆にできる人が少ないほど市場価値は高まります。

つまり、IT人材においては「アプリ系技術者」や「プロジェクトマネージャ」の市場価値は下がっており、「先端技術者」の市場価値が上がっている、そう考えられるでしょう。これはそのまま将来性に繋がります。

SEの将来性がないと言われる理由とは

SEの将来性がないと言われる理由は…

一般的なシステムエンジニアのキャリアパスが「アプリ系技術者」や「プロジェクトマネージャ」であり、そのIT人材が余剰になりつつあるからです。自分もこのパターンで10年間働きました。

このルートを歩むと…
(自己研鑽しない場合)

  • ちょっとITに詳しいサラリーマン
  • IT人材ぽい管理職・マネージャー
  • 技術知識なし・業界知識だけのSE

こんな感じの人材が誕生します。
(実際に10年後こうなりました。笑)

さらにIT人材全体の4割を占める「アプリ系技術者」と、2割を占める「プロジェクトマネージャ」は、上が詰まっているので昇進もできません。この悪循環こそ、将来性がないと言われる所以でしょう。

やすす

近年はITの内製化が進んでいるので、SIerやIT業界ではなく、他業界を目指すとポジションを確保しやすいかもしれません。

市場価値が上がりにくい

トドメは市場価値が上がりにくいこと。

業務SE10年で身に付いたスキル

  • 一定のIT知識
  • 一定の業界知識
  • マネジメント
  • コミュニケーション
  • 論理的思考力
  • 問題解決力
  • 表現力 など

当時、30代前半で年収800万ほどいただいていましたが、転職したら年収ダウンは免れないと感じていました。むしろ、40代50代になってから会社が倒産したり、リストラされたら露頭に迷うな、とすら思っていました。

やすす

そんなワタクシが実際に転職しました。詳細は別記事にまとめる予定です。完成したらリンクを貼りますね。

おさらいすると…

SEに将来性がないと言われる理由

  • 余剰気味なアプリ系技術者になりがち
  • プロジェクトマネージャを目指しがち
  • 上が詰まってて昇進できない・遅れる
  • 仕事だけでは市場価値が上がりにくい

システムエンジニアで生きていくなら、しっかりキャリアを考えておかないと、「アプリ系技術者」から「プロジェクトマネージャ」へ進むルートになりがちです。このキャリアパスを歩むと、つぶしがきかない、ただの管理職になってしまうかもしれません。

SEで生き残れる将来性ありのキャリア

システムエンジニアで生き残るにはどうすればいいのか。これを将来性のある領域と、実際にSEからキャリアアップした実例3件を踏まえて考えてみました。

SEで将来性のある領域

SEで将来性があるのは先端技術です。

  • AI(人口知能)
  • ビッグデータ
  • IoT(Internet of Things)
  • クラウドコンピューティング
  • ロボティクス
  • 情報セキュリティ

このあたりはIT人材白書(2019年度の調査結果)より、IT人材全体の1%〜5%ほどであることがわかっています。さらにレアリティを高めるのであれば、将来的に伸びそうな領域を先取りできるとGoodです。

  • 仮想通貨
  • ブロックチェーン
  • スマートコントラクト
  • NFT(Non-Fungible Token)
  • VR(Virtual Reality)
  • AR(Augmented Reality)

このあたりの最先端技術は、今すぐに役立つかわからないのと、将来確実に役立つかもわかりません。ただ、勉強している人が少ないからこそ、唯一無二のシステムエンジニアになれる可能性も高くなります。

専門書と実践でスキルUP

キャリアを決めたら動き出しましょう。基本的には専門書を読んでインプットし、関連企業に就職してアウトプットするのが望ましいです。独学では限界があるのと、実践を経験しないとスキルが身に付かないからです。

また、自分がそうだったように、勉強の仕方がわからないと、資格取得に向かいたくなるのですが、時間がモッタイナイのでおすすめできないです。資格が役立つのは、就活または第二新卒まで、それ以降は実力で判断されます。

SEからのキャリアパス(実例)

システムエンジニアからのキャリア例です。

どれも例外ケースに近いものの、普通に会社員で生きていくなら、上司や先輩をみればわかるため、敢えてお伝えする必要はないと判断しました。3人とも国内最大手SIerのSEからスタートしています。

  • 元同僚(SE→外資コンサル→ベンチャー)
  • 元同期(SE→ベンチャー→起業家)
  • 自分 (SE→フリーランス)

詳しくみていきましょう。

例①:元同僚編(SE→外資コンサル→ベンチャー)

領域:AI(人工知能)・コンサル

彼のキャリアは、会社員ルートでもっともわかりやすい、成功事例の一つです。大企業のSEというポジションをフル活用し、経験・実績・人脈作りなどを7年間積み上げました。

その結果、一般職のシステムエンジニアから、外資コンサルの部長まで一気にステップアップ。現在はさらにキャリアを進めて、ベンチャーの取締役に就任しています。

一緒に働いていて思ったのは…

  • 人任せにしないで自分でやる
  • 自分が全部できるようになる
  • できるようになったら任せる
  • 会社と上司を使い倒している
  • 経営者的な視点で働いている

彼は後輩だったのですが、マジで何でもできました。SEという枠組みに収まらず、企画、営業、コンサルも行い、システム開発も上流はもちろん、プログラミングや運用保守まで、幅広く経験していたのが印象的です。

特に秀逸だったのはビジネスをつくる動きで、普通は上司から与えられた仕事を淡々とやりがちですが、経営者的な視点で仕事をつくることに奔走していたのが凄いと感じました。

市場価値の向上にコミット

今だからわかる彼のポリシーは、自分の市場価値を高めること、ここにコミットしていました。市場価値が高まれば、社外でも必要とされる人材となり、転職でキャリアを早めることができます。

日本では年功序列が根強く残り、どれだけ成果や実績を残しても、昇進できるとは限りません。彼がよく飲みながら、飛び級の昇進がないことを嘆いていたのを覚えています。

例②:元同期編(SE→ベンチャー→起業家)

領域:Webサービス・Webエンジニア

彼はシステムエンジニアから起業家となった成功例の一つです。大企業のSEポジションをわずか1年半で捨て、Web系のベンチャー企業で、未経験からプログラミングスキルを身に付けて独立。自らサービスをつくり、会社を起こしました。

見ていて凄いなと思ったのは…

  • 圧倒的に決断が早い(1年半退職)
  • 未経験でベンチャーに飛び込む勇気
  • 独立までの最短ルートを歩んでいる
  • スキルを身に付けて仲間とがんばる

今だからわかるのは、1年半の退職が理想的であるということ。その理由は、会社員の延長線上に、起業家やフリーランスといった独立がないからです。そのため、独立を目指すなら、早々に動き出す必要があります。

スキルアップならベンチャー

未経験から独立を目指すなら、ベンチャーでスキルアップするのが最短ルートでしょう。大企業のシステムエンジニアでは、プログラミングスキルは身に付きません。製造工程をアウトソーシングしてしまうからです。

また、とにかくアクティブで人脈が広く、スタートアップ界隈では知られた存在とのこと。ベンチャーでスキルを磨きながら、一緒にがんばる仲間を見つけ、起業家として新たなスタートを切る。理想的なキャリアパスです。

例③:自分編(SE→フリーランス)

領域:Webマーケ・Webライティング

最後は自分のお話です。
(反面教師にしてください<(_ _)>)

自分はシステムエンジニアとして10年働き、そこで得たモノをほぼ活かさずに、未経験からフリーランスとなりました。決断と動き出しが遅すぎたことを深く反省しています。

現在はアフィリエイター・ブロガー5年目です。自由なライフスタイルを手に入れるため、個人で稼ぐことにフルコミット。生活できるようになるまで4年程かかりました。

独立しやすいスキルがある

今からSEになる人、現職SEの人、すべての人に伝えたいのは、独立しやすいスキルがあるということ。フリーランスを目指すなら、身に付けるスキルを見誤らないようにしましょう。

先の繰り返しになりますが、自分は「アプリ系技術者」から「プロジェクトマネージャ」を目指すルートで、システムエンジニアのキャリアを進めたところ、以下のスキルが身に付きました。

個人で稼ぎにくいスキル

  • 一定のIT知識
  • 一定の業界知識
  • マネジメント
  • コミュニケーション
  • 論理的思考力
  • 問題解決力
  • 表現力 など

ずばり、会社員では生きていけるけど、個人で稼ぐのは厳しかったです。そのため、フリーランスとして生きていくなら、独立しやすいスキルを身に付けるべきで、それは会社では身に付かないこともあります。

個人で稼ぎやすいスキル

  • プログラミング
  • デザイン
  • ライティング
  • マーケティング
  • 動画編集 など

自分はWebライティングとWebマーケティングを選びました。その理由は、なるべく1人で仕事をしたかったから。クライアントワークを除外したところ、この結論に至りました。

システムエンジニアの将来性は明暗あり

最後にまとめです。

システムエンジニアに将来性はあるものの、明暗がわかれやすいというのが結論となります。大切なのは、キャリアを考えること、キャリアに向かって経験を積むこと、そしてスキルを身に付けることです。

SE職種による将来性の明暗

IT人材白書の不足職種より。

SEの将来性「明」ルート

  • 先端技術に関わる技術者
  • コンテンツサービス系技術者
  • 情報セキュリティ専門技術者

SEの将来性「暗」ルート

  • アプリ系技術者
  • プロジェクトマネージャ

2019年度の調査結果では、明ルートは全体の1〜5%ほど、暗ルートは全体の60%ほどの割合となっています。人が増えるほど市場価値は下がるため、後者を選ぶとハードモードになるかもしれません。

先端技術領域のおさらいはこちら

SEキャリアの3大ルート

SEキャリアの3大ルートです。
(人生キャリアに近いかも)

  • 会社員でステップアップする
  • 起業家でステップアップする
  • フリーでステップアップする

会社員でキャリアを進めていくなら、市場価値を高めることにコミットしましょう。先端技術で得意領域をつくり、何でもやるくらいの勢いで経験を積み、全て自分でできるくらいのスキルがあれば、キャリアを早めることができます。

元同僚編キャリアのおさらいはこちら

起業するならプログラミング

IT分野で起業するなら、プログラミングスキルは必須です。ITプロダクトやITものづくりが全てプログラミングで行われている以上、もはや避けて通ることはできません。

プログラミングスキルは、一般企業のシステムエンジニア業務では身に付かないため、ベンチャーに飛び込んだり、オンラインスクールを利用するなど、自分でアクションを起こす必要があります。

  • TechAcademy:【無料体験あり】現役エンジニア1,000名在籍のオンラインスクール:ITスキルならお任せ
  • SAMURAI ENGINEER:【無料体験レッスン】挫折しないプログラミングスクール:初心者も安心のマンツーマン
  • DMM WEBCAMP PRO:【転職保証付き】未経験からITエンジニアを目指せる:就職までのトータルサポート

最後にフリーランスで独立するなら、個人で稼ぎやすいスキルを身に付けましょう。先のプログラミングも一つで、他にはデザイン、ライティング、マーケティングなどがあります。


以上、

システムエンジニアの将来性についてでした。

ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございます。SEはこれからも活躍できる職種です。ただ、キャリアをしっかり考えておきましょう。

何も考えていないと自分のように…

  • ちょっとITに詳しいサラリーマン
  • IT人材ぽい管理職・マネージャー
  • 技術知識なし・業界知識だけのSE

こんなSEになっちゃうかも。

やすす

自分の頭で考えることを放棄したとき、人の成長は止まります。考えない方が楽だけど、、、あとで困るのは自分ですね。

著:ちきりん, イラスト:良知高行
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