近年のスマートフォン向けゲームアプリでは、定番とも呼べる「ガチャゲー」について、あれこれ考えてみました。
基本プレイ無料の先にある
ガチャは基本プレイ無料の先にあります。高額の課金をしてしまい、後悔した経験のある人も多いのではないでしょうか。自分も数々のゲームで課金してきて、何度もやってしまったっー!と後から気づいたことがあります。
今回はその経験や気づきを「ガチャゲーを始める前に知っておくべきこと」としてまとめてみました。今でもガチャゲーで遊んでいますが、この境地に至ってからは完全に割り切ってます。
2020年12月にガチャゲーを卒業しました。コンシューマーゲームより圧倒的に稼げるし、コスパが良いというゲーム会社の意向もわかりますが、ほぼギャンブルと同じ、このビジネスモデルには賛同しかねます。
ゲームは大好きなままです。
ガチャゲーの意味するところ
ガチャゲーとはその名の通り、ガチャのあるゲームのことです。主にゲームアプリで使われるアイテム課金の仕組みの一つとなっています。
がちゃ【ガチャ】
1 《自動販売機のハンドルを回す音から》カプセルトイのこと。商標名。
2 スマートホンや携帯電話のソーシャルゲームなどで、1回数百円程度の抽選によって、ゲーム内で用いるカードや仮想的な物品を購入する仕組み。→コンプリートガチャ
引用:コトバンク
ガチャゲーは後者です。
前者はゲームセンターやおもちゃ屋さんにあるガチャガチャのこと。自分が子供の頃は、ガン消しのガシャポン、ビックリマンシールやドラゴンボールのカードダスなどが大流行でした。
友達と競い合いながらキラ(レア)集めに奔走していたのを思い出します。いい感じにコレクター精神を揺さぶられて、お小遣いの大半をつぎ込んでいました。
このガチャの仕組みが、近年のゲームアプリには当然のように組み込まれています。
ガチャゲーの課金者の割合
ゲームやアプリに課金している人は全体の3分の1、20代男性に至っては半数近くが課金しているという、以下の調査結果があります。
アプリ内課金実態調査
◆20代男性の支払い額は月平均5千円超
◆全体では1/3が有料利用、20代男性は半数近くにのぼる
◆電子書籍・マッチング・ゲームジャンルは、アプリ利用者のうちの25%以上が有料ユーザー、月平均利用額が高単価なジャンルはマッチングアプリ。
引用:VALUES
アプリ課金はクレジットカードやキャリア決済により、簡単かつ後払いでできてしまうところが非常に怖いです。
また、一度課金すると抵抗感や罪悪感のような気持ちが薄れていき、より高額の課金に走ったり、歯止めが効かなくなることもあります。
ガチャゲーの不正問題
2012年には消費者庁がコンプリートガチャは景品表示法違反であると報じました。
これは未成年者がガチャのために親のお金を使い込むケースが多発し、消費者庁に苦情が寄せられたことが起因しています。
コンプリートガチャ
コンプリートガチャとは携帯電話用などのソーシャルゲームにおけるアイテム課金の仕組みの一つ。景品表示法(カード合わせの手法)に抵触する行為である。カプセルトイ(ガチャ)のようにランダムに入手できるアイテムのうち、特定の複数アイテムをすべて揃える(コンプリートする)ことで稀少アイテムを入手できるシステムのこと。
引用:Wikipedia
その他にも問題があります。
実態のあるカプセルトイとは異なり、ゲーム内のガチャは中身が見えません。そのため、何が出るかはプログラムに委ねられており、開発や運営のさじ加減で如何様にもなってしまいます。
開発・運営 > ユーザー
この絶対的な力関係が不公平感を募らせます。
最近では、ガチャの確率を操作していたことを発表するという、異例の事態も起きました。これは、全てのガチャで確率操作が行われていると、暗に意味したも同然ではないでしょうか。
ガチャゲーの知っておくべきこと
自分の考えるガチャゲーを始める前に知っておくべきことになります。個人的な見解を多分に含みますので、その点はご了承くださいませ。
3つの知っておくべきこと
- 課金してはならない
- 返金されることはない
- 廃課金には勝てない
詳しくみていきましょう。
課金してはならない
全てはこれに尽きます。
課金しなければ何の問題も起きません。無料で遊べるのだから、無料で遊び続けるのが良いです。下手に色気を出すと火傷では済みません。
もし課金するか迷ったら、何に対してお金を払うのか、もう一度よく考えてみましょう。
課金はデータを使うだけ
ガチャに課金するということは、物でもなく、ゲームでもなく、ゲームのデータにすらお金を払っていません。ゲームの「データを使うだけ」にお金を払っています。
ゲームアプリはほとんどの場合、データをサーバに保管しています。そのため、その所有権はゲーム会社にあり、イチプレイヤーは何も持っていません。
ゲーム内のキャラクターや装備が強くなり、あたかも自分の所有物が強化、成長したように感じますが、結局のところ何も受け取っていないのです。
仮にゲームが終了したとすると、家庭用ゲームのようにセーブデータが残るわけでもなく、全ては消えて無くなります。もちろん、プレイもできません。
課金はゲーセンと一緒
究極的な見方をすると「ガチャをする体験」にお金を払っていると考えても良いでしょう。ゲームセンターで遊ぶのと一緒で、その場で楽しむのにお金を使い、終わったら何も残らないということです。
ゲームアプリ ≒ ゲームセンター
この公式が的を得ていると感じます。
返金されることはない
よくゲーム側に不具合や不備があった場合に、返金の話題になったりしますが、余程のことがない限り、返金されることはありません。
ほとんどは「App Store」や「Google Play」の返金ポリシー内での話で、ゲーム側に問題がある場合は、当然、ゲーム会社に問い合わせてくださいとなります。
この状態になると、課金時に同意する規約が猛威を振るい、多くの場合はスルー、相手にされない場合もあります。当たり前ですが、使ったお金は戻りません。
ゲームアプリも例外ではありません。
廃課金には勝てない
ガチャゲーにおける最後の真理はこちら。
課金額 ≒ 強さ
どんなアプリでも開発に費用が掛かってます。もちろん運営にもお金が掛かってます。では、なぜ基本プレイ無料なのでしょうか。
それは、開始後に回収する算段だからです。つまり、ガチャのために課金してもらうことこそ、ゲーム会社の真の目的であり全てです。
運営の立場で考えたらわかる
自分も遊んでいて、搾取が酷い、露骨な金儲けが発動、課金ゲーなどと思ってますが、運営の立場で考えると至極当然のこと。廃課金や重課金を優遇し、微課金や無課金を相手にしないのは普通なのです。
某ゲームでは、1人で1億円以上課金する強者もおり、運営にとってどちらが大事かは一目瞭然でしょう。
また、無課金で遊んでるのに、ついつい最強を目指したくなっちゃうのがゲーマーの心理で、そこで課金してしまうと運営の勝利、してやったりです。
数千円、数万円程度で状況が変わることは少ないです。その程度の金額でゲームが開発できるかを考えればわかります。
廃課金 > 重課金 >>> 微課金 ≒ 無課金
これがガチャゲーにおける勢力図です。
さらに補足を加えるとこうなります。
開発・運営 >>> 廃課金(以下略)
結局のところ、ゲームアプリの世界は全て開発と運営によりコントロールされているため、億越えの廃課金者ですら手のひらの上で踊らされているのが実態です。
以上、
ガチャゲーについてでした。
最後におさらいすると。
- 課金しても自分には何も残らない
- 一度課金したお金は返ってこない
- 廃課金・重課金には絶対勝てない
- 開発・運営には廃課金すら負ける
ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございます。日本のゲームは、世界に誇れる素晴らしいコンテンツだと思っていますが、ガチャゲーだけは例外です。課金にはくれぐれもご注意ください。